6年落ちでもなお、その古さを一切感じない車がある。それがプリウスPHVである。(ZVW52)今回はそんなトヨタが誇る傑作の一つであるプリウスPHVを紹介しよう。
まずはこの車について少し

プリウスPHV(ZVW52)は、2017年2月に発売。50系プリウスのPHV(プラグインハイブリッド)モデルとして登場した。通常のプリウスにEVバッテリーを追加で搭載し、充電ができ、EV航続距離を大きく伸ばしたモデルである。オプションではルーフにソーラーパネルを搭載することもできた。
そんなプリウスPHVであるが、実はオリンピックでの公式車両としても活躍した過去がある。私の愛車もオリンピック公式車両のものである。(派手という理由でリバリーは家族に剝がされた泣)
EVとガソリンの良いとこ取り
プリウスPHVは名の通り”Plug in Hybrid”ということで「充電ができるハイブリッドカー」である。EVの良さとガソリン車の良さを併せ持ち、お互いの欠点を打ち消しあう。
・EVは充電時間が…
・充電しても航続距離が…
・ガソリンは価格高騰など不安が募る
等々、それぞれに様々な欠点が思い上がると思う。しかし、PHVなら関係ない。(最近だとPHEVという名前に変わっている。)家で充電し、日々の通勤や街乗りではEVのみで走行できるし、休日に遠出をするときでも航続距離を心配することなくガッツリ遠出できる。
1回の充電でかかる電気料金は約280円である(8.8kWh,1kWh=31円で計算)。フル充電でだいたい50~60km走るので、ガソリン消費はおおよそ2Lくらいである。こう考えるとPHVである必要性を感じなく思うかもしれないが、私は燃費のためだけのPHVではないと思っている。
PHVの唯一無二な機能
PHVには普通の車には搭載”できない“特別な機能がいくつか存在する。
マイルームモード
外部電源を接続した状態でブレーキを踏まずにパワーボタンを押すと、「マイルームモード」を起動させるかどうかの画面が表示される。マイルームモードに入ると、エアコンやナビシステムを外部電源を基に動作させることができる。これにより車を1つの「部屋」のように扱うことができる。テレワークや、車中泊でエンジンをかけずに快適に過ごすことができる。私もよく活用する機能の1つだ。
非常時給電システム
日本は災害が多い国というのは周知の事実である。夏には大雨や台風、冬は大雪、季節問わず自身や火山の噴火など、数多くの危険因子が存在する。災害が発生し、インフラが破壊されると、生活が極めて困難となる。そのような状況に陥った場合でも、プリウスPHVであれば電気というインフラを提供することが可能だ。他の車にない超大容量なバッテリーと、高効率なエンジンによる電力供給が可能である。トヨタが言うには、ガソリン満タンの状態で、1日当たり10kWh、1時間当たり400Wの電力使用で4~5日程度の供給が可能らしい…バケモンかよ。
災害起きたら他の車からガソリン引っこ抜いてこいつに突っ込んだ方がよさそうですね。なんなら被害が発生してない地域まで余裕で退避できそう。

チャージモード
HV・EV切り替えボタンを長押しすると”チャージモード”に設定できる。これは、エンジンを常に働かせて、EVバッテリーに充電することができるモードである。どういうときに使うのか?駐車してそのままスマホをいじりたい時はないだろうか?単純に調べものであったり、人待ちする場面でよくあることだと思う。しかし、特に夜間はエンジンのアイドリングによる騒音や排ガスの心配をすることがある(というかしなければならない)。住宅街の真ん中に存在するコンビニなどではでかでかと「アイドリングストップにご協力お願いします。」と書いてありますよね。プリウスPHVは充電されている限りはエンジンを始動する必要はない。それまでの走行で充電がなくなっても、チャージモードを使用してあらかじめ充電することで、アイドリングストップの状態でもエアコンやAV機器を使用することが可能となる。
リモートエアコン
真夏の炎天下の中、汗をかきながらやっとの思いで車に駆け込む。ドアを開けた瞬間サウナのような熱気に襲われ一目散にエンジンをかけてエアコンをつける。というのは夏の風物詩かもしれない。サンシェードをしようが容赦なく暑くなる車内。
「乗る前に涼しくなってくれれば…」その願い、叶います。プリウスPHVならね!!
…ということができます。キーの「A/C」ボタンを押すことで充電された電気を使って10分間エアコンをつけることができる。これがあれば、夏も怖くない!

力強い走りと「意味が分からない」燃費
これについても、EVとガソリン車の良いとこ取りであると言える。EVの出足の良さ、ガソリン車の伸びの良さ・力強さ。どちらも併せ持つ。今年度始まってから山・高速・街等様々な道を1万km走り回ってきたが、力不足を感じたことは一度もない。踏めば一気に加速し、巡行は電気で静かに燃費よく走る。
ちなみに、燃費に関しては「意味が分からない」の一言に尽きる。だって37km/h(公表値)なんだもの。公表値だからどうせ実際はそこまでなんでしょ?いえいえ?33km/hくらいだよ?
いや、意味わからん。ひと回り小さいヤリスハイブリッドの公表値と大差ないんだけど。
なぜでかくて重いのに燃費良いのか…
加えて、この車はEVモード(充電した分の電気)で60kmほど走る。通勤だけであればエンジンを始動することなく1日を終えることも珍しくない。実際、母が通勤に使用していた時期は全くガソリンを消費できなかった。なのであえて充電せずにガソリンを消費するようにしていた(タンクやガソリンの劣化が進むため)
ちなみに、1万km走ったと言いましたけど、給油は10回もしていないです。しかも、給油1回は1万円以下(給油ランプ点灯からの給油でだいたい6000円強)。走りまくりたい人にはぴったりだネ。
改めて良いところを
- 低燃費
- 先進装備
まず燃費の良さは外せない。EVバッテリーに加えて、圧倒的な燃費を誇るハイブリッドシステムによって本当に「意味が分からない程の」低燃費を実現している。
また、素晴らしい先進装備を数多搭載している。今では標準化しつつある「クリアランスソナー」や、「ブラインドスポットモニター」(死角に車両等がいるときに黄色い光が点くやつ)などももちろん装備。中でも特に私が好んで使っているのは「アダプティブハイビームシステム」である。似た機能に「オートマティックハイビーム」があるが、それとはわけが違う。前方に車両がいる場合でも、歩道など車に光が当たらない場所を的確に照らしてくれる。もう暗闇を恐れる時代は終わったのだ。

悪いところも
- 視界
- 新車価格
カーブに差し掛かる場面は少なくないと思う。そんな時に右カーブであればAピラー、左カーブであればインナーミラーが視界を遮る。その都度頭を上下させて視界を確保する必要がある。安全上あまりよくないように思える。しかし、Aピラーに関しては、最近の車は静粛性を確保するためにピラーが太くなりがちなので、仕方ないことなのか…?
新車価格が高いことも少しネックだろう。私は決して「悪い」とは思わないのだが、価格の割に高級感が無いと、一般ユーザーからは嫌煙されてしまうだろう。「内装・外装ではなく、システムにお金をかけている」ことをしっかり理解できなければ、「コスパが悪い」と思わざるを得ないだろう。
中古車を買うときの注意点
個体によってかなり搭載装備に差がある。また、HV・EV全般に言えることですが、バッテリーの劣化が進行している場合も多いです。
- RSA(ロードサインアシスト)
- AHS(アダプティブハイビームシステム)
- TMN(先行車発進告知機能)
- BSM(ブラインドスポットモニター)
- 急速充電インレット
RSAは速度標識や一時停止、車両進入禁止などの道路標識を読み取り、ディスプレイに表示する機能だ。設定によっては、制限速度を一定以上超過するとブザーが鳴ったりする。見落としや速度超過を防ぐことが可能になる。
TMNは信号待ちや渋滞で停車した際に、前の車が発進しても自車がそのままの場合にブザーで知らせてくれる機能。これがあれば後ろの車にクラクションを鳴らされる心配はない。
BSMはミラーについている黄色いアレだ。死角に車などが存在する場合に光り、ドライバーに知らせてくれる。
急速充電インレット。これが一番重要。これがついていないと外出先ではまず充電できない。そもそも充電器の形が合わないことが多い。急速充電であれば約20分程度で8割充電できるが、普通充電だと200Vでも2時間強かかる。外部の充電器は時間課金なことが多いので、2時間も充電するととんでもないことになってしまう。また、V2Hという外部給電機能もこれに付属する。
まとめ
いかがだっただろうか?6年落ちでもなおデザインも機能も古さを感じさないプリウスPHVについて語りました。セダン型の中古車が不人気故、中古車がかなり格安で売っているので、ぜひ検討してみてほしい。プリウスPHVで環境にも財布にも優しくドライブを楽しもう!

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